攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society見ました

こういっちゃ反発を買うかもしれないですが、今までの攻殻シリーズで最も地味だったと思います。イノセンス並に地味。印象薄い。
原作からまだ取り上げていなかった、ちまちました絞りかすのようなエピソードをうまいことつなぎましたねという感じ。

いいかげん原作攻殻機動隊1巻の縛りからは抜け出た方がいいのではないでしょうか?

作品が発表されるたびに、テーマが現実社会のいま直面している問題に近づいていって、どんどん未来っぽさが薄くなっている気がします。スケールが小さいっちゅうかね、もっと先に行って欲しいです。

原作2巻では、豚の体内で人の脳を培養してネットワークを構築しようとする犯罪(実験?)や、人形遣い草薙素子の融合後に拡散したと思われるコピーとオリジナルとの闘争(成長?)とか、シリコン生命体の可能性などが中心テーマだったと思いますが(うろおぼえです、違ってたらすいません)、もうそこまで作っちゃっていいんじゃないですかね。
公安9課を中心に据えると、構図のわかりやすい事件物にせざるを得ないのか、それとも見る側がついてこれないと思っての判断なのか。

確かに高齢者問題は原作にはなかったストーリーで、よく練られた脚本であることはおおいに認めるのですが、あまりに現実の社会問題とリンクしすぎていて、原作攻殻機動隊の根本テーマである「人類の進化」についてはすっかり忘れられている気がしました。

攻殻機動隊という作品に限っては、ほんのちょっと未来に起こりうるであろう社会問題について、さも先取りしたかのように映像化したとしても、正直「そんなこたぁわかってる」とか「ああ、そうだろうね」いう感想しか出ないです。そういうことを期待されている作品ではないと思うんです。